作品番号:0014457
河嶋淳司 虎
作品画像
作品の解説
河嶋淳司の《虎》は、金地の背景に堂々とした虎の姿を描き出した、日本画ならではの迫力と祝祭性を備えた作品である。画面いっぱいに配された虎は、しなやかに身をくねらせながら前進する姿勢をとり、鋭い眼差しと張り詰めた肢体から、生命力と緊張感が強く伝わってくる。鮮やかな橙と黒の縞模様は明快に整理され、装飾性を帯びながらも、虎という存在の威厳と躍動感を的確に捉えている。金地の輝きは、虎を吉祥的・象徴的存在として際立たせ、古来より力や守護を象徴してきた虎のイメージを現代的に昇華している点が印象的である。 河嶋淳司は、日本画の伝統技法を基盤に、動物や自然を主題とした作品を通して、強い造形性と装飾的感覚を融合させてきた画家である。本作《虎》は、写実に偏ることなく、象徴性と美意識を重視した表現によって、河嶋芸術の力強さと格調を端的に示す一作といえる。