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河嶋淳司による《沐猿》は、猿という親しみやすいモチーフを通して、生命の躍動と静かな精神性を同時に感じさせる作品です。大胆に単純化されたフォルムと洗練された色面構成には、琳派を思わせる装飾性と現代的なグラフィック感覚が共存しており、河嶋作品ならではの魅力が表れています。 タイトルの「沐」という字には、水を浴びる・身を清めるといった意味があり、猿の姿にもどこか清澄で落ち着いた空気が漂います。鋭さや威圧感を前面に出すのではなく、穏やかな眼差しや自然体の佇まいによって、動物の内面まで感じさせる点が印象的です。 河嶋淳司は「アニマル・グラフィティ」シリーズで知られ、動物たちとの出会いや記憶をもとに、伝統的な日本画表現と現代的感覚を融合させた独自の世界を築いてきました。 本作でも、単なる動物画に留まらず、見る人それぞれの感情や想像を引き出すような奥行きが生まれています。

