二人の少女
1953年に描かれた油彩作品「Les Deux Soeurs」の習作で、藤田の作品制作過程がうかがい知れる鉛筆でのデッサン画です。藤田は子どもを描いた作品を数多く残していますが、描かれているのはすべて創作上の子どもで、実際のモデルは存在しませんでした。生涯子どもを持つことがなく、自らの作品に描かれている子ども達こそが我が子だと述べていた藤田らしく、二人の少女は深い愛情でもって可愛らしく描かれています。
技法 | 鉛筆デッサン |
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画寸 | 41.6 × 32.8 cm |
額寸 | 68.0 × 59.2 cm |
鑑定書 |
東京美術倶楽部鑑定委員会 |
在庫状況 | 売却済 |
藤田嗣治について
東京美術学校を卒業後、フランスに渡り、モディリアニらとともにエコール・ド・パリの代表的画家として活躍しました。とりわけ、裸婦に代表される「乳白色の肌」の優美な美しさは、多くの人々の心をとらえました。その後中南米を旅行して日本に帰国し、二科展で活躍するとともに、第二次世界大戦中は戦争画も描きます。大戦が終わるとフランスに戻り、やがて帰化して、再び日本の土を踏むことはありませんでした。