作品番号:0013283
マリオ・アバチ なぜ青ではないのか
作品画像
作品の詳細
- 技法
-
カラーメゾチント
- 画寸
- 28.6 × 37.5 cm
- 制作年
- 2006年
- 限定部数
- 3ETAT 19
- サイン
- 本人サイン
- 在庫状況
- 在庫あり
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作品の解説
画面の中で、ただひとつだけ青く染められたさくらんぼが、静かな違和感として見る者の視線を引き寄せる。 周囲の果実が自然な色彩の記憶に寄り添うほど、その青いさくらんぼだけが異物のように浮かび上がる。しかし同時に、その不自然さは単なる逸脱ではなく、画面全体に緊張と詩情を与える中心でもある。 アバチは、メゾチント特有の深い闇と柔らかな光の中で、色を“物の属性”としてではなく、“感情や記憶の揺らぎ”として扱っている。 青いさくらんぼは、現実には存在しない色でありながら、見る者の内側にある孤独や静けさ、あるいは言葉にならない感情を呼び起こす。 タイトル《なぜ青ではないのか》は、「なぜ青なのか」という問いではなく、「なぜ私たちは青であってはいけないと思うのか」という、先入観への問い返しでもある。 その小さな青い果実は、常識からわずかに外れることで、世界の見え方そのものを変えてしまうのである。