コンテンツを読み込み中
小磯良平《横向きのフランス人形》は、人形の佇まいを重厚な線と陰影で捉えた、静謐な趣をもつエッチング作品です。 小磯良平は、確かなデッサン力と気品ある人物表現で知られ、近代日本洋画において重要な足跡を残した画家です。 本作では、左奥に置かれた人形と、右手前に広がる大きな帽子状の形が斜めの構図をつくり、画面に奥行きと緊張感を与えています。 細く鋭い線を幾重にも重ねた陰影は、布や髪、衣装の質感を浮かび上がらせ、単なる静物を超えた気配を宿します。 抑制されたモノクロームの中に、異国的な人形の存在感と、物を見る作家の冷静で端正な眼差しが表れた一作です。