作品番号:0016204
木津文哉 木立ち
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作品の解説
木津文哉による本作《木立ち》は、円環の中に蝉を配した独特の構成によって、夏の生命感と時間の気配を、静かな象徴性のうちに描き出したミクストメディア作品です。木津は1958年静岡県浜松市生まれ。東京藝術大学で油画を学び、独立美術展を中心に活動し、中山賞、高畠賞、独立賞、安井賞展佳作賞、昭和会展優秀賞などを受賞してきました。また、写実を主軸としながらも、現実をそのまま写すのではなく、対象の背後にある気配や物語性を画面に宿す作家として知られます。本作では、古びた壁面のような質感の上に、青緑の輪と蝉の姿、文字のような記号が配され、どこか標本的でありながら、詩の断片を見るような不思議な余韻を生んでいます。身近な生きものを題材にしつつ、記憶、時間、存在の気配までも感じさせるところに、この作品ならではの魅力があります。