コンテンツを読み込み中



相場に合わせた適正価格で販売中!価格のお問い合わせはこちら
熊谷守一(1880–1977)は、近代日本洋画を代表する画家であり、単純化された形態と静謐な精神性による独自の作風で広く知られています。 岐阜県に生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)で学んだ後、長い試行錯誤を経て独自の表現に到達しました。 晩年には身近な自然を見つめ続け、自宅の庭に生きる猫や虫、草花などを主題に、生命の本質を捉える簡潔な表現を追求しました。 花や昆虫といった身近な生命は、熊谷が生涯にわたり愛した重要なモチーフでもあります。 本作《花》は、熊谷守一が晩年に多く残した書作品の一つで、単純な筆致によって一文字を大きく描いた作品です。 余白を大きくとった画面構成と、迷いのない墨線による筆運びは、作家の到達した簡潔な美意識をよく示しています。 熊谷の書は、絵画と同様に対象の本質を掬い上げるような表現として評価され、飾らない筆致の中に温かな精神性が感じられます。 「花」という一字は、熊谷守一が長年見つめ続けた自然への眼差しを象徴する言葉でもあります。 装飾を排した率直な筆線は、自然の生命力や静かな美しさを端的に表現しており、晩年の守一の精神境地を伝える書作品として魅力を放っています。