作品番号:0013798
マルク・シャガール 以心伝心 PL.21
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作品の解説
マルク・シャガール の《以心伝心 PL.21》は、詩人ルイ・アラゴンの詩集『以心伝心』のために制作された挿画版画集の一葉です。シャガールは1970年代後半、この詩集のために25点のエッチングを制作しており、本作もその中の第21図にあたります。 画面には、シャガールらしい夢幻的な人物像と浮遊感のある構成が広がり、現実と幻想が静かに溶け合っています。明確な物語を描くというよりも、互いの心が言葉を超えて響き合う感覚を、柔らかな線と余白で表現した作品といえるでしょう。恋人や人影は輪郭を保ちながらもどこか曖昧で、見る者に感情の余韻を委ねています。 「以心伝心」という言葉は、本来は禅宗に由来し、“言葉を用いず心から心へ伝える”ことを意味します。そこから転じて、無言でも互いの想いが通じ合う関係性を表す言葉として使われています。 この作品でも、シャガールは説明的な描写を避け、色彩や線の揺らぎによって感情の交流を表現しています。静かな親密さや、夢の中で交わされるような心の対話が感じられ、観る人それぞれが自由に物語を想像できる魅力があります。エッチング特有の繊細な線も、詩情豊かな世界観をより深めています。