片岡球子
鮮やかな色彩と力強く独創的な作風で知られ、院展の重鎮として活躍、現代日本画壇に大きな足跡を残す。103歳で世を去り、80年に渡って、描きたいという情熱に身をゆだね、思いのままに描き続けた。 富士山を多く描き、野太い線と激しい原色が強烈な印象を与える。作風が非常に個性的であったため、初期は落選を重ねました。しかし、粘り強く努力して次第に頭角を現し、遅咲きの47歳で日本美術院同人となりました。
片岡球子のデータ
- 性別
- 女性
- 出身地
- 北海道
- 誕生日
- 1905年(明治38年) 1月5日(木)
- 歿日
- 2008年(平成20年) 1月16日(水)
- 勲章
- 文化勲章
- パブリックコレクション
- 東京国立近代美術館
- 神奈川県立近代美術館
- 愛知県美術館
- 横浜美術館
- 山種美術館
- 北海道立近代美術館
- 鑑定機関・鑑定人
- 東美鑑定評価機構鑑定委員会
- 団体
- 日本美術院
- 師
- 安田靫彦
- メイン・テーマ
- 人物
- 富士山
片岡球子の略歴
- 1905年(明治38年)
1月5日(木)、北海道札幌市に生まれる。
- 1923年(大正12年)
北海道立札幌高等女学校師範科卒。日本画家を志す。
女子美術専門学校（現・女子美術大学）日本画科高等科に入学。
- 1926年(大正15年/昭和元年)
女子美術専門学校 日本画科高等科を卒業。
神奈川県横浜市立大岡尋常小学校に教論として赴任。
- 1930年(昭和5年)
日本美術院再興第17回展（以下、院展）に「枇杷」を出品、初入選。
- 1935年(昭和10年)
日本美術院絵画部第19回 試作展に「炬燵」が入選、試作賞。
- 1938年(昭和13年)
日本美術院絵画部研究会員研究会で「寒空」が大観賞第一賞受賞。
- 1939年(昭和14年)
日本美術院絵画部研究会で「新緑」が大観賞第二賞受賞。
第26回 院展に「緑陰」が入選。
日本美術院院友に推挙される。
- 1942年(昭和17年)
日本美術院絵画部研究会で「祈祷の僧」が大観賞受賞。
- 1946年(昭和21年)
安田靫彦に入門する。
第31回 院展無鑑査に出品、「夏」が日本美術院賞受賞。
- 1948年(昭和23年)
第33回 院展で「室内」が入選、日本美術院賞。
- 1950年(昭和25年)
第35回 院展で「剃髪」が日本美術院賞、白寿賞を受賞。
- 1951年(昭和26年)
第36回 院展入選「行楽」が奨励賞、白寿賞を受賞。
このころ東京藝大 山本豊市教授より彫刻デッサンを学ぶ。
- 1952年(昭和27年)
第37回 院展で「美術部にて」が日本美術院賞、大観賞を受賞。
日本美術院同人に推挙される。
- 1955年(昭和30年)
横浜市立大岡小学校を依願退職。
女子美術大学 日本画科 専任講師となる。
- 1959年(昭和34年)
第14回 春の院展に「海岸」を出品。
三越本店にて初の個展が催される。
- 1960年(昭和35年)
女子美術大学日本画科の助教授に就任。
- 1961年(昭和36年)
院展出品作「渇仰」が文部省買上げ作品となる。
第46回 院展に「幻想」を出品、舞楽をテーマにした初めての作品。
第11回 芸術選奨 文部大臣賞を受賞。
日本美術院評議員に推される。
- 1962年(昭和37年)
初の渡欧。 フランス・イタリア・イギリス各地の美術館を巡る。
第5回現代日本美術展に「桜島の昼」「桜島の夜」を招待出品。
女子美術大学 日本画科 教授に就任。
- 1965年(昭和40年)
神奈川県立近代美術館賞を受賞。
- 1966年(昭和41年)
第51回 院展に「面構 足利尊氏、義満、義政」を出品。
愛知県立芸術大学の開校に合わせ、日本画科主任教授として迎えられる。
「面構」「富士山」両シリーズの制作開始。
- 1970年(昭和45年)
北海道庁よりの依頼で「函館街頭風景」を 制作。
神奈川県藤沢市に転居。
- 1971年(昭和46年)
第56回 院展に「面構一 葛飾北斎」「面構二 東洲斎写楽」を出品。
- 1972年(昭和47年)
パリで催された個展「富嶽三十六景」に合わせ渡欧。
- 1975年(昭和50年)
自伝「情（こころ）ありて」を執筆。
第59回 院展出品作「面構 鳥文斎栄之」が第31回 日本芸術院恩賜賞を受賞。
- 1976年(昭和51年)
勲三等端宝章を賜る。
- 1978年(昭和53年)
日仏現代美術パリ展に「面構 喜多川歌麿」出品。
第27回 神奈川文化賞を受賞。
- 1981年(昭和56年)
日本美術院理事に就任。
- 1982年(昭和57年)
日本芸術院会員となる。
- 1983年(昭和58年)
第38回 春の院展に初の裸婦作品「ポーズ1」を出品。
- 1986年(昭和61年)
文化功労者に顕彰される。
- 1989年(昭和64年/平成元年)
文化勲章を賜る。
第42回 中日文化賞を受賞。
- 1991年(平成3年)
画業70年を記念して各地で個展が催される。
- 1993年(平成5年)
愛知県立芸術大学教官・卒業生らと約20年かけた「法隆寺金堂壁画模写」全32面が完成し一般公開。
- 1996年(平成8年)
画業75年展を各地にて開催。
愛知県立芸術大学美術学部に奨学基金として1億円を寄贈。
- 1999年(平成11年)
都営地下鉄 大江戸線 築地市場駅構内「ゆとりの空間」に設置される「江戸の浮世絵師たち」原画を制作。
- 2004年(平成16年)
白寿記念展「片岡球子展〈白寿記念・極める—人間と山〉」を開催。
- 2005年(平成17年)
百歳を記念して各地にて「片岡球子百壽展」を開催。
- 2008年(平成20年)
1月16日(水)、逝去。享年103歳。従三位に叙せられた。
- 2015年(平成27年)
生誕110年 片岡球子展 （東京国立近代美術館・愛知県美術館）