作品番号:0009782
杉山寧 かん
作品画像
作品の詳細
- 技法
-
カラーメゾチント
- 画寸
- 17.5 × 15.5 cm
- 制作年
- 1982年
- 限定部数
- 66
- サイン
- 本人サイン
- 版元
- 文芸春秋
- 備考
-
杉山寧 自刻
上に「石」下に「山」で一文字「かん」
- 在庫状況
- 在庫あり
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作品の解説
杉山寧による《かん》は、静かな象徴性と凝縮された造形感覚が印象的なカラーメゾチント作品です。 題名の「かん」は、「石」と「山」を組み合わせた漢字一文字で表されます(上に「石」、下に「山」)。小品でありながら山岳そのものの重厚さが描かれ、杉山寧特有の精神性の高い世界観が濃密に宿っています。 画面には、単なる風景描写ではない、心象としての山の姿が漂っています。杉山寧は「心象の風景こそ私の世界」と語っており、実景を再現するのではなく、内面に沈殿したイメージを造形化することを重視した画家でした。 本作でも、山は雄大な自然というより、静かに存在する“象徴”として扱われています。輪郭や色面は簡潔に整理され、余白や空気感を伴いながら、見る者に深い沈黙を感じさせます。その抑制された構成は、日本画の伝統を踏まえつつ、抽象性と構築性を追求した杉山芸術の特徴をよく示しています。 また、メゾチント特有の柔らかな黒の階調によって、山肌や空間には静かな奥行きが生まれています。小さな画面のなかに悠久の時間感覚が凝縮されており、派手さではなく“気配”で魅せる作品といえるでしょう。