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加山又造《熱帯魚(5匹)》は、深い闇を思わせる静かな画面のなかに、色鮮やかな熱帯魚の姿を浮かび上がらせた作品です。 縦に連なる五匹の魚は、それぞれに微妙な向きや間合いを変えながら配され、整然とした構成のなかに、ゆるやかな律動と生命の気配を生み出しています。 黒を基調とする背景に、青、紅、橙を帯びた魚体がほのかな光を宿すように映え、抑制された画面でありながら豊かな色彩の余韻を感じさせます。 銅版画ならではの繊細な階調と澄んだ発色が、魚の小さな姿に気品ある存在感を与え、装飾性と静謐さとを高い次元で両立させています。 自然の姿を洗練された意匠へと昇華する、加山又造ならではの美意識がよく表れた一作です。