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水面をゆるやかに泳ぐ鯉と、静かな春の気配を描いた、速水御舟らしい気品に満ちた作品です。 穏やかな池の情景を題材としながらも、御舟特有の鋭い観察眼によって、鯉の姿や水の揺らぎは繊細に捉えられ、静寂のなかに確かな生命感が息づいています。 画面には華やかな装飾性よりも、澄んだ空気感と張りつめた静けさが漂い、近代日本画を革新した御舟の感性が端的に表れています。琳派的な美意識と写実性を融合させた御舟作品ならではの魅力を味わえる一点です。 また、落ち着いた色調でまとめられているため、和室はもちろん現代的な空間にも調和し、季節感をさりげなく演出します。静かな余韻を愉しみたい方におすすめしたい作品です。

