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浜口陽三《びんとくるみ》は、1960年に制作されたメゾチント作品です。 浜口陽三は、深い闇の中から静かに像を浮かび上がらせる銅版画表現によって知られ、本作にもその静謐で詩情豊かな世界観が端正に表れています。 画面にはびんとくるみが簡潔に配され、限られたモチーフでありながら、透明な器の存在感と木の実のやわらかな質感とが静かな緊張感の中で響き合っています。 抑えた色彩と繊細な明暗の移ろいは、物の輪郭を過度に強調することなく、沈黙をたたえた空間の中に気品ある存在感を生み出しています。 身近な静物を通して、見る者に深い余韻と澄んだ空気感を感じさせる点に、浜口陽三ならではの魅力がよく表れています。 本作は画寸29.5×44.2cm、限定50部(HC)・本人サイン入りの作品であり、作家の洗練された版画芸術を印象深く伝える一作です。