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東山魁夷の新着作品を
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東山魁夷による本作《雲上がる峡》は、深い峡谷を満たす靄と、その間を縫うように流れる川の白を通して、自然の静けさと神秘を澄明に描き出した一作です。 東山は、生涯を通じて風景を単なる写景にとどめず、心の奥にひそむ静謐や祈りに近い感情を託して描き続けましたが、本作にもそうした作家の精神性が端正に息づいています。 青から緑へと移ろうやわらかな階調のなかで、幾重にも重なる山並みと樹々の気配は、現実の景観でありながら、どこか夢の内側の風景のような幽かな浮遊感をたたえています。 とりわけ谷あいに立ちのぼる雲霧は、景色に奥行きと呼吸を与え、画面の中心を走る川の白い流れをいっそう清らかに際立たせています。 見る者を静かに奥へ導き入れるような構図には、自然と向き合うなかで心を澄ませていく東山魁夷ならではの美意識が表れており、深い安らぎと清浄な余韻を残す作品です。

