作品番号:0000345
上村淳之 春 うぐいす
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作品の解説
上村淳之《春 うぐいす》は、やわらかな春の気配を、清澄で端正な画面のなかに静かに映し出した作品です。 淡い灰青色の背景の前に、可憐な桜の枝にとまる一羽の鶯が配され、余白を大きく生かした構成によって、季節の移ろいの一瞬が気品高く表されています。 ふっくらとした鳥の姿は繊細な筆致で丁寧にとらえられ、淡い花弁やつぼみのやさしい色調と響き合うことで、春の光や空気のやわらかさまでも感じさせます。 華やかさを前面に出すのではなく、静けさのなかに生命のぬくもりを宿す点に、上村淳之らしい品格と抒情があらわれています。 桜と鶯という日本の春を象徴する取り合わせを通して、自然へのまなざしと洗練された美意識とが端正に結晶した、心やすらぐ魅力的な作品です。