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《THE BLACK COMET CLUB 版画集「一千一秒物語」より》 赤褐色の背景に静かに浮かび上がる人物像は、有元利夫特有の“古典と夢想”が交差する世界観を端的に示しています。 中世ヨーロッパの肖像画を思わせる端正な輪郭と、どこか現代的な簡潔さが同居し、額に配された黒い星は象徴的なモチーフとして、物語性と内省性を強く印象づけます。 硬質な線描と抑制された色彩は、人物を具体的な個人ではなく「記憶や時間の中の存在」へと昇華させており、本作もまた《一千一秒物語》シリーズらしく、見る者に静かな余韻と想像の余地を残す一枚となっています。