作品番号:0000248

有元利夫 THE MOONMAN 版画集「一千一秒物語」より-98

作品画像

有元利夫「版画集「一千一秒物語」より『THE MOONMAN 版画集「一千一秒物語」より-98』」銅版画

作品の詳細

技法

銅版画

画寸
15.5 × 11.5 cm
額寸
42.5 × 38.5 cm
制作年
1983年
限定部数
75
サイン
本人サイン
在庫状況
商談中
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作品の解説

《THE MOONMAN ― 版画集「一千一秒物語」より》
月そのものが“顔”となった人物像は、有元利夫が生涯追い続けた寓意的肖像の代表的モチーフです。
柔らかな表情を湛えた黄色い月面にはクレーターが点在し、人間と天体が静かに重ね合わされることで、現実と夢、時間と物語の境界が溶け合います。
背景一面に施された細密なクロスハッチングは、夜空や内面世界を思わせる深い奥行きを生み、そこに配された淡い赤線が、感情や記憶の“揺らぎ”をそっと浮かび上がらせています。
簡潔な身体表現に対し、顔=月だけが強く発光する構図は、「個としての人間」よりも「宇宙的存在としての人」を示唆しているかのようです。
《一千一秒物語》シリーズに共通するのは、明確な物語を語らない代わりに、鑑賞者の想像力によって完成する余白。
本作でも、月の男は語り部のように静かにこちらを見返し、それぞれの“千一秒”を呼び起こします。
古典肖像の静謐さと、現代的な詩情が同居した、有元版画の中でもとりわけ象徴性の高い一作です。

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