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青く澄んだ北国の空の下、少年野球チームの出番を待つベンチの光景を描いた一枚です。 画面手前には青いリュックを背負った男の子が、白い帽子をかぶった女の子と並んでベンチへと歩み寄り、その先には背番号を付けたユニフォーム姿の少年たちが横一列に並んで腰掛けています。全員が画面奥を向いており、表情こそ見えませんが、丸めた背中や重なり合う帽子のかたちから、試合の行方を見守る緊張と期待が静かに伝わってきます。 空には大小さまざまな雲がゆったりと浮かび、地平線には淡い緑の木立が続き、どこまでも広がる北国らしい伸びやかな空間が画面全体を包み込んでいます。地面は乾いた土の色合いで描かれ、夏の乾いた空気感までもが感じられるようです。 「出番のないベンチ」は、控えの少年たちの姿を通して、活躍の場を待ち続ける子どもたちの一途な想いを温かなまなざしで描き続けてきた櫻井幸雄の代表シリーズです。本作はその中でも「北国の球場」と題され、郷愁を誘う澄んだ空気感が印象的な一点となっております。派手さはなくとも、見る人それぞれの少年時代の記憶をそっと呼び覚ますような、静かな余韻を持つ作品です。