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《星久》は、夜の静寂に寄り添う二羽の木菟(みみずく)を描いた、松井ヨシアキならではの幻想性が凝縮された作品です。深い褐色から藍へと移ろう空には、星々がほのかな光を放ち、枝に並んで佇む二羽は、言葉を交わすことなく穏やかな時間を共有しています。画面全体に漂う静けさは決して冷たくはなく、温かな灯りに包まれた秋の夜の安らぎを思わせます。 木菟の姿は、パレットナイフで厚く重ねられた絵具によって立体的に形づくられています。盛り上がる絵肌は羽毛の柔らかな質感を生み出す一方、大きく見開いた瞳は愛嬌と神秘性をあわせ持ち、見る者の視線を自然と引き寄せます。背景に散りばめられた小さな星や、枝先に残る葉の簡潔な表現も、現実の情景というより心の中の風景を描き出しているようです。 松井ヨシアキは、幻想的なモチーフを独自の造形感覚で描き続けてきた洋画家です。1980年代に昭和会賞を受賞して注目を集め、その後も全国の百貨店や画廊で個展を重ねながら、鳥や道化師、音楽家などを題材とした温もりある作品を数多く発表してきました。力強いマチエールと詩的な物語性を融合させた作風は、現代洋画の中でも印象的な個性として親しまれています。 題名の「星久」には、星が久しく輝き続けるような永続する時間への想いが込められているようです。寄り添う二羽の姿は、親子や伴侶、あるいは大切な存在との絆を静かに象徴し、鑑賞する人それぞれの記憶や感情に穏やかな余韻を残してくれる一作です。