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白を基調とした画面に、大小の山犬たちが四方から集い、祈りの場を絶えず守護するかのような濃密な気配を湛えた作品です。 中心には二体の大きな山犬が向き合うように配され、その周囲を複数の小さな存在が取り囲みます。 鋭く伸びる角や牙、大きく見開かれた眼には畏怖を感じさせる力が宿る一方、互いに呼応する配置からは、群れとして寄り添い、見守り続ける温かな意志も感じられます。 黒と金を主体とした細密な線描に、赤や紫、青などが差し込まれ、背景には朱の奔放な筆線が大きく巡ります。 静かな白地と激しくうねる朱の対比が、祈りの静謐さと目に見えない生命の働きを同時に感じさせる点も印象的です。 小松美羽は、神獣や守護獣を重要なモチーフとして、人と自然、現世と精神世界とのつながりを描き続けてきた現代美術家です。 とりわけ、目には見えなくとも人の傍らに存在し、祈りや生命を見守るものへの眼差しは、その制作を貫く大きな特色となっています。 本作では高野山という祈りの地を背景に、山犬たちが過去から現在、そして未来へと変わらぬ守護を受け継ぐ存在として表され、荒々しい生命感の奥に、深い祈りと慈しみに満ちた余韻を残します。



