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鮮烈な朱赤の画面いっぱいに神獣の顔を大きく据え、真正面から見る者と向き合うような強い存在感を湛えた作品です。 額から天へ伸びる一本の角、渦を巻く豊かな毛並み、鋭い牙、そして大きく見開かれた紅色の眼が左右対称に近い構成の中へ収められ、神聖な像を前にしたような張りつめた気配を生み出しています。 黒を基調とする緻密な線の間には金、緑、黄、桃色などが幾重にも差し込まれ、深い朱の背景と響き合いながら、荒々しい生命力と華やかな装飾性を際立たせています。 顎の下に連なる金色の鈴のような意匠も印象的で、守護獣としての威厳の中にどこか親しみと祝祭性を添えています。 小松美羽は、神獣や守護獣など目には見えない存在を通して、人と自然、現世と精神世界とのつながりを描き続ける現代美術家です。 「阿吽」の「吽」が持つ内へ収束する響きを思わせる本作では、外へ放たれる激しさだけでなく、大地へ深く根を下ろすような力が感じられます。 燃えるような赤の中に凝縮された眼差しは、生命を守り、その根源を静かに見据える祈りの姿として、力強い余韻を残します。