作品番号:0017394
藤田嗣治 座る猫
作品画像
作品の詳細
- 技法
-
エッチング
アクアチント
- 画寸
- 30.0 × 23.5 cm
- レゾネ No.
- 26.85
- 制作年
- 1926年
- 限定部数
- 50
- サイン
- 本人サイン
- 在庫状況
- 在庫あり
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作品の解説
藤田嗣治の「座る猫」は、1926年に制作されたリトグラフ作品です。パリで名声を確立しつつあった時期の藤田は、女性や子どもとともに猫を好んで描き、その姿はやがて彼の作品を象徴するモチーフの一つとなりました。1921年頃から猫を描き始めたとされ、身近な存在として猫を観察しながら、そのしなやかな身体や気まぐれな表情を、独自の繊細な線描によって捉えています。 本作で印象的なのは、単なる愛らしい動物としてではなく、一個の生命として猫と向き合っている点です。こちらを静かに見つめる眼差しには、どこか人間を思わせる意思が宿り、ふわりとした毛並みも一本一本を追いかけるような細やかな線によって表現されています。背景を抑えた構成によって猫の存在感が際立ち、静謐な空間の中に凛とした気配が生まれています。写実的でありながら、線そのものに温度を感じさせるところに、藤田ならではの描写の魅力があります。 1886年東京生まれの藤田は、東京美術学校で西洋画を学んだ後、1913年に渡仏。1920年代のパリで、日本画的な線描と西洋絵画を融合させた独自の表現を確立し、「乳白色の肌」とともに高い評価を得ました。猫を題材とした作品もこの時期に数多く制作されています。 1926年制作の本作は、藤田が猫の魅力を繰り返し追究していた時代の一作です。リトグラフならではの柔らかな濃淡の中に、藤田の卓越した線描力と、対象を慈しむような眼差しが凝縮されています。静かに佇む猫の姿から、画家が見つめた日常の一瞬の美しさを味わっていただける作品です。