作品番号:0017385
山安直志 桃・淡緑のポット
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作品の解説
山安直志氏は1984年東京都生まれ。バロック期を中心とする古典絵画の模写から油彩を学び、写実画家・青木敏郎氏に師事して研鑽を重ねてきました。2013年の「ホキ美術館大賞展」、2014年の「新生堂リアリズム賞展」への入選をはじめ、個展やグループ展を通して精力的に発表を続けています。古典絵画への深い理解を背景に、身近な静物を題材としながら、光と質感の調和を追求している作家です。 本作「桃・淡緑のポット」では、瑞々しい桃と、花模様を施した陶器のポット、そして一杯の水という、暮らしのなかにある穏やかな情景が描かれています。しかし、その魅力は個々のモチーフの精緻な描写だけにあるのではありません。柔らかな光がそれぞれの物に触れ、その反射や陰影が互いに響き合うことで、一つの静かな空間が生み出されています。 とりわけ印象的なのは、桃の持つ温かな色彩と、ポットの淡い緑や白が織りなす落ち着いた調和です。艶のある果実、陶器の滑らかな肌、ガラス越しの液体など、それぞれ異なる質感を丁寧に描き分けることで、画面には実在感だけでなく、触れることのできそうな空気まで感じられます。そこには、古典静物画に学んだ山安氏ならではの「物と物との関係」を捉える眼差しが息づいています。 何気ない一日のひとときを切り取ったようでありながら、光と色、器と果実の取り合わせによって、静物画ならではの豊かな時間を感じさせる一作です。