作品番号:0017374

吉水快聞 鳳凰の卵 The Phoenix's Egg

作品画像

吉水快聞「鳳凰の卵」木彫

作品の詳細

技法

木彫

画寸
18.5 × 18.5 × 21.0 cm
備考

共箱

技法:木彫(檜)・彩色・截金・漆

在庫状況
在庫あり
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作品の解説

一見すると、端正な文様が施された大きな卵。しかしその殻には小さな裂け目が生まれ、そこから今まさに鳳凰の幼鳥が外の世界をのぞき込んでいます。静かに閉ざされていた時間が動き出す、その一瞬を切り取ったような作品です。生命の誕生という普遍的な主題を扱いながらも、鑑賞者に物語の続きを想像させる余白を残している点に、吉水快聞ならではの造形感覚が表れています。
卵全体を覆う繊細な七宝文様は、円が連続して永遠につながることから「円満」「繁栄」「調和」を象徴する吉祥文様として古くから親しまれてきました。その中から現れるのが、古来より平和や繁栄、瑞兆の象徴とされる鳳凰であることは決して偶然ではありません。
殻を破るという行為は単なる誕生ではなく、新たな希望や幸福がこの世に姿を現す瞬間として表現されているようです。裂けた殻の鋭さと、幼い鳳凰のどこか愛嬌を感じさせる表情との対比も、この作品に温かな生命感を与えています。
作者の吉水快聞は、奈良の寺院に生まれ、東京藝術大学および同大学院で彫刻と文化財保存修復を学び、快慶仏の研究によって博士(文化財)を取得した木彫作家です。仏像修復で培った高度な木彫技術を基盤としながら、神話や自然、生きものを独自の感性で再解釈した作品を数多く発表しています。確かな写実性と幻想性を融合させるその作風は高く評価され、百貨店での個展や美術展でも注目を集めています。
本作は、卓越した彫刻技術を誇示するだけではなく、「これから始まる命」への祝福を穏やかなユーモアとともに形にした一作です。眺めるたびに、殻の内側から聞こえてくる小さな鼓動を感じさせ、見る人の心にも新しい物語を芽吹かせてくれるでしょう。

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