作品番号:0017372
斎藤清 HOUSE OF AIZU
作品画像
作品の詳細
- 技法
-
木版画
- 画寸
- 37.5 × 52.5 cm
- 額寸
- 57.5 × 75.6 cm
- 制作年
- 1973年
- 限定部数
- 80
- サイン
- 本人サイン
- 在庫状況
- 予約中
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作品の解説
茅葺屋根と土蔵造りの妻壁が、幾何学的に整理された面と面の組み合わせによって、静かな緊張感を帯びた画面をつくり出しています。屋根の傾斜は直線とわずかな曲線でとらえられ、背後にそびえる山並みも、鋭く連なる三角形の連続としてデフォルメされています。写実の再現ではなく、目に映った風景を版画という平面の論理に置き換えていく――そうした作業の痕跡が、この一枚には色濃く表れています。 斎藤清は福島県河沼郡坂下町、すなわち会津の生まれです。幼くして北海道に移り住み、看板店を営みながら独学で絵を学んだという経歴が示すように、美術教育を体系的に受けたわけではありませんでした。 二十代で上京した後、銀座の画廊で安井曾太郎の版画に出会ったことが転機となり、以後は独自に木版画の技法を模索していきます。浮世絵以来の伝統的な版木の扱いと、西洋の近代絵画に通じる構成感覚とを併せ持つ画面は、こうした独学ゆえの自由さから生まれたものといえるでしょう。 離郷後、久しぶりに会津を訪れた際に受けた歓迎と、その土地の記憶は、生涯を通じて斎藤の制作の核となりました。連作「会津の冬」はその代表であり、雪をまとう土蔵や民家は幾度となく主題として選ばれています。本作もまた、そうした会津への眼差しが結晶した一図です。屋根の勾配や壁面の奥行きは、単純化されているにもかかわらず、そこに暮らす人々の気配や、雪深い季節の静けさを確かに伝えてきます。 抽象への志向と、生まれ育った土地への愛着。この二つが拮抗しながら共存しているところに、斎藤芸術の独自性を見ることができるのではないでしょうか。