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金地から橙色へと移ろう地色を背景に、恵比須を思わせる線描の意匠と末広がりの扇形をあしらった構図の上を、悠然と泳ぐ鯛を描いた作品です。 鯛は古来より慶事を彩る魚として親しまれ、画面の上下に配された「寿」の文字、脇を固める鶴の意匠とあわせて、祝福と長寿への願いが込められています。柔らかな金箔の輝きと橙へのグラデーションが、吉祥の気配を静かに引き立てています。 作者の谷川泰宏は1957年徳島県生まれ。東京藝術大学美術学部油画科を卒業後、同大学大学院を修了し、同大学の助手・非常勤講師を務めながら制作を続けてきました。 東京セントラル美術館の油絵大賞展での大賞受賞をはじめ、ニューヨークやミラノ、バーゼルといった海外のアートエキスポへの出品、さらには北京・故宮博物院での現代日本絵画展への参加など、国内外で幅広く活動してきた作家です。油彩を基調としながら金箔や岩絵具を取り入れた独自のミクストメディア表現を確立しており、伝統的な吉祥文様と現代的な色彩感覚が調和する本作にも、その持ち味がよく表れています。