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画面上部にたなびく白いもやの向こうから、朝の光がやわらかく差し込んでいます。そこから下へと視線を移すごとに木々の輪郭は明瞭になり、緑は密度と潤いを増していきます。若葉を思わせる黄緑の色彩が枝先に散り、深い緑と青みを帯びたターコイズの下草が幾重にも重なり合うことで、生命が満ち始める森の躍動が画面いっぱいに広がっています。苔むした幹が垂直に立ち上がる構図は、静けさの中にも力強さを感じさせ、見る者を森の奥深くへと誘います。 清水規は1962年に東京に生まれ、創形美術学校を卒業後、絵画保存研究所にて横山大観をはじめとする巨匠たちの作品修復に携わりました。その経験を通じて培われた確かな技術は、後に自身の作品においても緻密な描写と鮮やかな色彩表現として結実しています。1989年の銀座松屋での個展を皮切りに、以後は全国各地で精力的に個展を重ね、日本の自然が持つ美しさを写実的に描き続けてきました。 本作「朝萌ゆ」は、そうした作家が得意とする自然風景の中でも、一日の始まりに満ちる清冽な生命力を丁寧にすくい取った一点といえるでしょう。