作品番号:0017333

浜口陽三 とうもろこし Corn

作品画像

浜口陽三「とうもろこし」メゾチント+雁皮刷り

作品の詳細

技法

メゾチント

雁皮刷り

画寸
23.5 × 54.1 cm
額寸
55.0 × 78.5 cm
制作年
1959年
限定部数
Chine applique 3部
在庫状況
在庫あり
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作品の解説

浜口陽三が生み出すメゾチント作品は、深く静かな黒の世界から光をすくい上げるような独特の表現によって、何気ない日常のモチーフに普遍的な美しさを与えています。本作《とうもろこし》も、その魅力が余すところなく表れた秀作です。
画面中央には3本のとうもろこしが整然と積み重ねられ、その奥には半分ほどに切られた1本が少しずれた位置に置かれています。規則正しく並ぶ粒は一つひとつが緻密な階調で刻まれ、光を受けて柔らかく輝くことで、豊かな質感と確かな量感を生み出しています。何気ない農作物でありながら、その存在は彫刻のような重厚さを帯び、静物としての格調を漂わせています。
背景には浜口作品を象徴する深遠な黒が広がり、右上にはレモンのシルエットが淡く浮かび上がります。その控えめな存在は画面に静かな奥行きと余韻をもたらし、とうもろこしとの対比によって空間全体に豊かなリズムを生み出しています。主題を雄弁に語るのではなく、わずかな気配によって鑑賞者の想像力を引き出す構成は、浜口ならではの洗練された美意識を感じさせます。
浜口陽三は果実や野菜など身近な題材を数多く描きましたが、その関心は対象そのものではなく、光と闇が織りなす静謐な世界にありました。本作もまた、とうもろこしという素朴な題材を通して、自然が宿す生命力や豊穣さ、そして時の流れまでも静かに語りかけてくるようです。

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