作品番号:0017332
浜口陽三 Autumn field
作品画像
作品の詳細
- 技法
-
カラーメゾチント
- 画寸
- 23.3 × 54.5 cm
- 額寸
- 68.5 × 84.0 cm
- 制作年
- 1985年
- 限定部数
- 75
- サイン
- 本人サイン
- 在庫状況
- 在庫あり
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作品の解説
漆黒の地に浮かび上がるのは、幾重にも波打つ秋の田園風景です。浜口陽三は、メゾチント特有の柔らかな階調を活かし、丘陵地帯の起伏を細やかな横縞のリズムで描き出しました。画面上部には朱色から緑へと移ろう色彩が広がり、中央では深いグリーンが層をなして重なります。さらに下方では黄金色と赤褐色が交差し、実りの季節ならではの温かみを感じさせます。 黒い背景は単なる余白ではなく、光を静かに受け止める器のような役割を果たしています。そこに浮かぶ色彩の帯は、遠くから眺めた田園の記憶を抽象化したかのようで、具体的な地名や季節の説明を超えて、秋という時間そのものを感じさせる構成となっています。 浜口陽三は、繊細な点の集積によって色の濃淡を生み出すメゾチントの技法を極め、国際的にも高く評価された作家です。本作でも、丹念に刷り重ねられた色面が、見る角度や光の加減によって微妙に表情を変えます。近くで見れば線の集積が織りなす質感が際立ち、少し離れて眺めれば、なだらかな丘が連なる風景として立ち現れます。 黒の静寂の中で、色彩だけが小さく呼吸を続けているような一枚です。