作品番号:0017331
浜口陽三 3つのポプラ
作品画像
作品の詳細
- 技法
-
メゾチント
- 画寸
- 62.2 × 47.2 cm
- 額寸
- 88.4 × 73.1 cm
- 制作年
- 1980年
- 限定部数
- 75
- サイン
- 本人サイン
- 在庫状況
- 在庫あり
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作品の解説
深く沈み込むような黒の中に、白い葉先が三つ、垂直に連なって浮かび上がります。「3つのポプラ」と題されたこのメゾチントは、ポプラの梢だけを抽出し、極限まで単純化した構成によって成り立っています。画面全体を覆う黒は単なる背景ではなく、ビロードのような質感を持つ独自の空間として存在し、そこに宿る微細な光の粒子が、静かな奥行きを生み出しています。 浜口陽三は、メゾチント特有の「黒の美しさ」を追求し続けた版画家として知られています。銅版に無数の点を打ち込み、その上から丹念に削り出す技法によって、単色の中に豊かな階調を宿らせました。本作でも、白い部分の柔らかなにじみと黒の重厚な沈黙が対比をなし、見る者を静謐な余韻へと誘います。 三つの形はポプラの木そのものというより、その存在の気配、あるいは記憶の断片として画面に留められているようにも感じられます。具象と抽象のあわいに立つこの作品は、対象を描くことよりも、そこにある時間や空気を捉えることに主眼が置かれているのかもしれません。夜の静けさを思わせる黒の中で、三つの白い形はいつまでも呼吸を続けているようです。