作品番号:0017307
ジル・ゴリチ サントロペ湾
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作品の解説
地中海に面したフランス南部の港町サントロペ。その輝くような湾の風景を、ジル・ゴリチ独自の生命感あふれる筆致で捉えた一作です。 画面手前には黄・橙・赤の花々が躍動感をもって咲き乱れ、その奥に松や木々が風をはらむように伸び、右端には南国の趣を漂わせるヤシの木がすっと立っています。木立の隙間から望むサントロペ湾の青は深く澄んでおり、岸辺の白い建物や点在するヨットの影が、陽光に満ちた午後の空気を静かに伝えています。淡いクリーム色の地に積み重ねられた絵具の層は、マチエールとしての厚みをもちながらも軽やかで、画面全体にリズムある明るさが行き渡っています。 ゴリチは1939年、戦後フランス画壇の巨匠ポール・アイズピリを父としてパリに生まれました。アカデミー・ジュリアンで研鑽を積み、17歳で初個展を開催。翌年にはサロン・ドートンヌの会員となり、以後パリ・東京・ニューヨークなど世界各地で個展を重ねました。具象と抽象のあわいに立つ「半具象」という独自の画境を切り拓き、色彩とマチエールによって内なる感情を画面へと昇華させた作家として広く知られています。 本作においても、写実を超えた色彩の解放と大らかな筆の動きが一体となり、南仏の光と熱気が画面いっぱいに満ちています。