作品番号:0017298
小泉淳作 白牡丹
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作品の解説
画面いっぱいに咲き誇る白牡丹の花が、見る者を静かな圧倒感へと誘います。幾重にも重なる花弁は白から灰へと微妙に変化し、岩絵具ならではの重厚な質感と繊細さが同居しています。花芯には黄金色の雄しべが密集し、白い花弁のなかで静かに輝きを放っています。背景は銀灰色の砂子を散らしたような抽象的な質感で仕上げられ、牡丹の純白をいっそう際立てるとともに、どこか宇宙的な広がりをもった空間を生み出しています。葉は濃い緑灰色で力強く描かれ、花の柔らかさと鮮やかな対比をなしています。 小泉淳作(1924〜2012)は、東京藝術大学で日本画を修め、長年にわたり花鳥・仏画・寺院天井画などを手がけた日本画壇の重鎮です。晩年には建仁寺や建長寺、泉涌寺などの天井画・障壁画の制作に取り組み、その仕事は「最後の日本画の大家」とも評されました。白と余白を生かした独自の画風は、日本画の伝統を踏まえながらも現代的な静謐さを湛えており、国内外で高い評価を得ています。 本作はその代表的なモティーフである白牡丹を描いた一点で、小泉芸術の真髄ともいうべき作品です。花びら一枚一枚に施された丁寧な描写と、全体を包む凛とした気品は、日本画の素材と技法が最良のかたちで結実したことを示しています。床の間や和室はもちろん、洋室にも静けさと格調をもたらしてくれる一枚です。日本画コレクションの核となる作品として、また特別な方へのご贈答としても、自信を持っておすすめいたします。