作品番号:0017191
浮田克躬 コルシカ島の断崖と崖上の町
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作品の解説
浮田克躬による本作《コルシカ島の断崖と崖上の町》は、地中海に面した荒々しい断崖と、その頂に連なる町並みを、厚みある絵具と力強い筆致で捉えた、迫真性に富む風景画です。 画面では、岩肌の複雑な起伏や斜面の険しさが重層的なマチエールによって表され、陽光を受けた土と石の色合いが、海辺の強い光と乾いた空気を鮮やかに伝えています。 崖上に集まる家並みは小さく置かれながらも確かな存在感をもち、自然の壮大さと、人がそこに営みを築いてきた時間の重みとが静かに響き合っています。 浮田克躬は、対象を単なる景観として写すのではなく、その土地の風土や空気、歴史の堆積までを絵肌のなかに定着させることに長けた洋画家です。 本作にも、異国の風景を前にした感動を、写実と表現性の両面から凝縮しようとする作家の資質がよく表れており、野趣と詩情をあわせもつ印象深い作品となっています。