作品番号:0017153
林喜市郎 忍野富士
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作品の解説
林喜市郎《忍野富士》は、澄みきった空気のなかにそびえる富士の威容と、その麓に息づく日本の原風景とを端正に描き出した一作です。画面の主役である富士は、白雪をいただく頂から裾野へとなめらかに広がり、静謐でありながら圧倒的な存在感を放っています。その手前には、茅葺きの民家、枯れすすき、浅い水辺、晩秋を思わせる木々が丁寧に配され、雄大な山岳風景に人の暮らしのぬくもりを添えています。油彩ならではの厚みある筆致は、雪肌の明暗や草むらの乾いた質感、湿り気を帯びた水辺の反射までを自然に描き分け、季節の気配を豊かに伝えます。8号という親しみやすい画面のなかに、富士の霊峰性と郷愁を凝縮した、落ち着きと格調を備えた風景画です。