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小泉淳作が生涯大切にした「ものを凝視する姿勢」が端的に表れた静謐な一作です。 二つの苺を簡潔な構図で配し、果実表面の粒立ちや萼の重なりまで丹念に描き込むことで、小さな対象の中に確かな存在感を与えています。 余白を大きく取った画面構成は、対象そのものと向き合う時間を鑑賞者に委ねるようで、華美を排した表現の中に深い精神性が感じられます。 小泉は自然を装飾的に扱うのではなく、生命の気配を静かにすくい取ることを重視しました。 本作でも、熟した苺の瑞々しさと同時に、移ろいゆく一瞬の気配までもが封じ込められ、写実と詩情が高次で融合した小泉芸術の魅力が凝縮されています。