作品番号:0017065
原雅幸 白の記憶
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作品の解説
原雅幸(1956-) は大阪府出身の洋画家で、写真のような写実表現を基調としつつ、対象を記憶と感情のフィルターを通して描き出す独自の世界観を築いてきた作家です。フェルメールやレンブラント、シャルダン、コローといった古典的な光の扱いを踏まえながら、現代的な感性で風景や静物に向き合うその眼差しには、透徹した観察と詩的な余韻が同居しています。作品には、記憶の奥底で反芻された光や色が静かに立ち上がり、鑑賞者の内的な時間とも共鳴するような力が感じられます。 《白の記憶》は、P3号の小ぶりな画面に油彩で描かれた作品です。題名が示すように、色を抑えた落ち着いた構成の中で、白や微妙な色調のニュアンスが空間に繊細なリズムを生み出しています。キャンバス上の「白」は単なる無彩色ではなく、光と影、素材感と空気感が折り重なった記憶として立ち上がっており、見る人の視線を静かな内省へと誘います。鑑賞者の記憶や感受性と呼応しながら情景がゆっくりと心の中に広がる、原雅幸ならではの静謐な一作です。