作品番号:0017002
大竹正芳 山百合
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作品の解説
大竹正芳による本作は、山百合の気高く豊かな花姿を、端正な構成と繊細な描写によって描き出した、清雅な趣に満ちた一作です。やわらかな金地を思わせる背景の前に、白く大きく開いた花弁、紅を帯びた斑点、伸びやかな雄蕊が美しく映え、山野に咲く花でありながら、どこか格調高い気品を湛えています。花弁のゆるやかな反りや蕾のふくらみ、葉のしなやかな重なりに至るまで丁寧に捉えられており、対象を深く見つめる作家のまなざしが静かに感じられます。とりわけ、白を基調とした花の清らかさと、緑の葉の涼やかな流れとの対比が画面に軽やかな律動を生み、華やかさのうちにも澄んだ静けさをもたらしています。山百合は古来、日本の夏を彩る代表的な花として親しまれてきましたが、本作でもその野趣と高貴さとが見事に調和し、自然の生命力と日本的情緒とをあわせて伝えています。写実に根ざしながら、単なる植物画にとどまらず、季節の気配と清浄な美意識を画面に結晶させているところに、この作品ならではの大きな魅力があるでしょう。