作品番号:0016790
鷹山宇一 高原の花
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作品の解説
鷹山宇一による本作《高原の花》は、深い緑の気配をたたえた空間のなかに、咲きこぼれる花々の華やぎを凝縮し、幻想性と装飾性とをあわせもって描き出した一作です。濃い青の花器からあふれるように広がる花束は、薔薇を中心に、紫、黄、桃、白の花々がやわらかく溶け合い、そのあいだを舞う蝶の姿が、画面に軽やかな生命の気配を添えています。輪郭を鋭く限定するのではなく、色彩のにじみや重なりによって花々を浮かび上がらせる筆致には、現実の写生を超えて、記憶や憧れのなかに咲く花園のような詩情があります。とりわけ、中心に据えられた大輪の薔薇は、作品全体の核として豊かな存在感を放ち、周囲の小花や蝶と響き合いながら、華やぎのなかに静かな気品を生み出しています。高原の澄んだ空気や光の清らかさを、そのまま花の色と気配へと置き換えたような本作には、自然への憧憬と夢見るような美意識とが美しく息づいています。