作品番号:0016765
鷹山宇一 晨の花
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作品の解説
鷹山宇一による本作《晨の花》は、朝の光に目覚める花々の気配を、幻想味を帯びた色彩とやわらかな筆致によって描き出した、詩情あふれる一作です。黒い花器からあふれるように咲く花々は、中央の鮮やかな橙の花を核として、桃、紫、黄、青の小花がふくよかに重なり合い、そのあいだを舞う蝶の姿が、画面に軽やかな生命のリズムを添えています。背景には深い青緑の空気が広がり、花束の下には遠景の建物や地平の気配がほのかに沈み、現実の静物画にとどまらない、夢の中の庭園のような広がりを感じさせます。鷹山宇一は、花を単なる写生の対象としてではなく、憧れや記憶、自然への讃歌を託す象徴として描く魅力があり、本作にもその資質がよく表れています。華やかでありながらどこか静謐で、朝の澄んだ空気と花の息づかいとをやさしく伝えるところに、この作品ならではの大きな魅力があるでしょう。