作品番号:0016592
アンドレ・コタボ ブランシュ通り
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作品の解説
アンドレ・コタボ《ブランシュ通り》は、パリの街角に漂う光と空気を、厚塗りのマチエールと淡い色調で表現した一作です。白を基調とした画面に、建物の輪郭や街路の奥行きが溶け込むように描かれ、具体的な場所でありながら、記憶の中の風景のような曖昧さを帯びています。絵具を盛り上げ、削り、引きずるような筆致は、石造建築の質感や歩く人々の気配を感じさせ、静かな時間の流れを可視化しています。 コタボは、具象と抽象の境界を行き来する表現で知られ、都市風景を単なる写生に終わらせず、内面の詩情へと昇華させました。本作においても、ブランシュ通りという現実の街が、光に洗われた精神的風景として立ち現れ、観る者にパリの余韻と静謐な感情を呼び起こします。