作品番号:0016529
長岡卓 帽子でおひるね
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作品の解説
長岡卓による本作《帽子でおひるね》は、花咲く野のやわらかな光のなかで、帽子を寝床にして眠る子猫の愛らしい姿を描き出した、見ているだけで心がほどけるような一作です。くるりと身を丸めた小さな身体、閉じたまぶた、ほんのりと紅を帯びた肉球や耳の内側は、無防備で満ち足りた眠りの気配を丁寧に伝え、見る者に深い安らぎをもたらします。やわらかな麦わら帽子の曲面は子猫をやさしく包み込み、周囲に咲く可憐な草花や明るい緑の背景と響き合いながら、春から初夏へかけての穏やかな空気を画面いっぱいに広げています。長岡卓は、動物たちのしぐさや表情に宿る無垢な魅力を、写実性と抒情性のあいだであたたかく描き出すことに長けており、本作にもその資質がよく表れています。単なる可愛らしさにとどまらず、日常のなかの小さな幸福や、生命のぬくもりそのものを感じさせるところに、この作品の大きな魅力があるでしょう。