魅せられし河:自画像
『魅せられし河』は1951年、藤田の65歳の誕生日を祝して315部が出版された挿画本で、この作品が対象となって藤田は2度目のレジオン・ドヌール勲章を受章しました。フランスの古文書学者ルネ・エロン・ド・ヴィルフォスがパリのフォーブール・サントノレ通りを川に見立てて書き下ろした文章に、藤田によるカラーエッチング、エッチング、エッチングと手彩色の挿画24点が添えられています。当時のパリの街並みや市民の営みが活き活きと描かれており、今日でも高い人気を誇る名作です。
技法 | エッチング |
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画寸 | 31.0 × 26.0 cm |
額寸 | 52.6 × 46.2 cm |
レゾネNo. | B.51.176 |
制作年 | 1951年 |
限定部数 | 315 |
サイン | 本人サイン |
在庫状況 | 売却済 |
藤田嗣治について
東京美術学校を卒業後、フランスに渡り、モディリアニらとともにエコール・ド・パリの代表的画家として活躍しました。とりわけ、裸婦に代表される「乳白色の肌」の優美な美しさは、多くの人々の心をとらえました。その後中南米を旅行して日本に帰国し、二科展で活躍するとともに、第二次世界大戦中は戦争画も描きます。大戦が終わるとフランスに戻り、やがて帰化して、再び日本の土を踏むことはありませんでした。