作品番号:0016243
小杉小二郎 巴里郊外
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作品の解説
小杉小二郎は、ヨーロッパ滞在を通じて培った詩情豊かな色彩感覚と、静謐な構成力を特徴とする洋画家である。本作《巴里郊外》では、パリ近郊の川辺に佇む教会や家並みが、穏やかな水面の反映とともに描かれている。単純化された形態と柔らかな色面によって構成された建築や樹木は、写実を超えた心象的風景として画面に定着している。緑と赤茶を基調とした落ち着いた色調は、都市の喧騒から離れた郊外の静けさと時間の緩やかな流れを感じさせる。小杉は、対象を克明に描写するのではなく、風景が内包する記憶や余韻をすくい取るように表現し、見る者を静かな瞑想へと導く。本作は、フランスの風土と作家自身の感性が穏やかに溶け合った、成熟した作風を示す一作である。