作品番号:0016220
小倉遊亀 書(遊)
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作品の解説
小倉遊亀による本作《書(遊)》は、円相を思わせる大きな墨の曲線の中に「遊」の一字を金色で据え、簡潔な構成によって、自由な精神とおおらかな境地とを鮮やかに示した一作です。深い青緑の地に、のびやかな墨線と明るい金の文字が映え、静けさの中に強い生命感が宿ります。とりわけ「遊」という字は、気ままさというより、心がとらわれから解かれ、自在に世界を受け入れる境地を象徴しているようです。小倉遊亀は花や静物で知られますが、本作では対象の姿を離れ、書のかたちそのものによって、簡素の中に豊かな精神性と品格を結晶させています。余白を大切にした画面には、東洋的な美意識と、歳月を経てなお失われない澄んだ気迫が静かに息づいています。