作品番号:0015776
青木敏郎 静物
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作品の解説
青木敏郎の《静物》は、赤い文様布を背景に、果実を盛った器や陶器、パンなどを配した、緊密な構成による静物画である。深い赤と黒を基調とした画面に、果実の黄や陶器の白が鮮やかな対比を生み、卓上の空間には静かな緊張感が漂っている。対象は一つひとつ精緻に描き分けられ、質感や重量感が的確に捉えられている一方で、過度な装飾を排した構図が全体に落ち着いた統一感をもたらしている。写実に基づきながらも、色彩と配置によって画面全体が強い造形性を獲得している点が本作の大きな魅力である。 青木敏郎は、徹底した観察と確かな描写力を基盤に、風景や静物を通して光と空間の在り方を追求してきた洋画家である。本作《静物》は、青木の写実表現がもつ緊張感と静謐な美意識が凝縮された一作といえる。