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十時孝好(ととき たかよし)は1948年福岡県生まれ。 1977年に東京藝術大学大学院を修了し、その後同大学油画科助手を務めるなど、確かな基礎教育を背景に制作活動を開始した。 1981年から83年にかけてアメリカに滞在し、ニューヨークを中心とする現代美術の空気を吸収しながら日本画壇に登場した作家である。 十時孝好は「USAGI」を重要なモチーフとして制作を続けており、日本神話の因幡の白兎や鳥獣戯画など、日本文化に古くから登場する動物のイメージを現代的な造形で表現している。 本作「USAGI(正面)」は、岩のような形状の画面の上に兎の姿を描いたユニークな構成の作品である。 深い青の色彩と大地を思わせるテクスチャーの中に佇む兎の姿が、神話的で幻想的な空気を画面に生み出している。 彫刻的なフォルムと絵画的表現が融合した造形は、十時孝好の特徴的な表現であり、動物を精霊のような存在として描く独自の世界観を感じさせる。 静かな存在感と物語性を備えた、同作家の代表的テーマ「USAGI」シリーズの魅力がよく表れた一作である。
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