作品番号:0015666
中島千波 宵の枝垂桜
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作品の解説
中島千波は、現代日本画を代表する花鳥画家の一人であり、とりわけ桜を主題とした作品で広く知られています。長野県小布施町に生まれ、東京藝術大学大学院を修了後、院展を中心に活躍しました。精緻な描写と鮮やかな色彩によって花の生命感を表現する作風で高い評価を受け、東京藝術大学教授として後進の指導にも尽力しています。 中島千波は1980年代に名木「薄墨桜」と出会ったことを契機に全国の名桜を訪ね歩き、桜を「肖像画のように描く」という姿勢で数多くの桜作品を制作しました。 それらは現代日本画における桜表現の代表例として広く知られています。 本作《宵の枝垂桜》は、夕暮れから夜へと移ろう静かな時間の中で、満開の枝垂桜が優雅に垂れ下がる姿を描いた作品です。金色を帯びた柔らかな背景の中で、無数の花弁が繊細に描き込まれ、散りゆく花びらの動きが画面に奥行きと詩情を与えています。しなやかに伸びる幹と滝のように咲きこぼれる桜花の対比は、生命の輝きと儚さを象徴的に表現しています。 夜の静寂の中に咲く桜の美しさを格調高い日本画表現で描いた本作は、中島千波が追求してきた桜画の魅力をよく示す一作といえるでしょう。