作品番号:0015576
松井ヨシアキ 0時と1時のあいだ
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作品の解説
松井ヨシアキの《0時と1時のあいだ》は、深夜の都市を舞台に、メリーゴーラウンドに乗る人物像を通して、時間と意識の宙づり状態を象徴的に描いた油彩作品である。歪んだ建物が立ち並ぶ街並みは現実の都市でありながら、夢の中の風景のように不安定で、回転運動を想起させる構図が画面全体に漂っている。メリーゴーラウンドは前進することなく同じ場所を回り続ける存在として描かれ、「0時」と「1時」のあいだに留まり続ける人間の心理や、時間の循環性を暗示している。重厚な黒や褐色に、黄色や青の光が断片的に差し込む色彩は、夜の静寂と内省的な緊張感を際立たせる。 松井ヨシアキは、戦後日本洋画壇において、都市、時間、記憶を主題に、具象と抽象を横断する独自の表現を展開してきた画家である。本作は、日常の裏側に潜む不確かな時間帯を、象徴的モチーフによって可視化した、松井芸術の思想性と造形力が凝縮された一作といえる。