作品番号:0015435
志田展哉 messnger #08 1
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作品の解説
志田展哉《messnger #08 1》は、深い闇をたたえた画面の下辺に青い花々を群れ咲かせ、その奥に淡く立ち上がる都市のシルエットと、一羽の小さな鳥の姿とを配することで、静寂のなかにひそむ気配の往還を繊細に描いた作品です。上方を広く占める黒灰の面は、夜空であると同時に、沈思へとひらかれた心象の場のようでもあり、その静けさのもとで、街の輪郭は白い光の格子となってほのかに浮かび上がります。手前に咲く花々は鮮やかな青を帯び、暗い画面に澄んだ律動を与えながら、無機的な都市景のなかに確かな生命の温度を呼び込みます。左上に小さく飛ぶ鳥は、この作品において題名の「messnger」を象徴する存在として、遠くからもたらされる徴や消息を思わせ、画面全体に静かな物語性を添えています。抑制された色彩と簡潔な構成のうちに、都市、自然、記憶の気配を端正に重ねた、余韻深い一作です。