5本の薔薇
画家ビュッフェが円熟期に差し掛かった50才代後半に描いたこの作品は、若かった頃の抑制された地味な色調とは対照的に、黄色や赤といった明るい色使いが目を引きます。 「Bernerd Buffet」の名前を冠した薔薇もあり、これは数多くの薔薇を描いたビュッフェに捧げらた品種である。
技法 | リトグラフ |
---|---|
画寸 | 65.0 × 50.0 cm |
額寸 | 95.3 × 75.5 cm |
レゾネNo. | S.484 |
制作年 | 1986年 |
限定部数 | 150 |
在庫状況 | 売却済 |
ベルナール・ビュッフェについて
ベルナール・ビュフェ(1928-1999)は、黒い描線と抑制された色彩によって第二次世界大戦後の不安感や虚無感を描出し、世界中の人々の共感を呼びました。その虚飾を廃した人物描写は、当時の若者に多大な影響を及ぼしたサルトルの実存主義やカミュの不条理の思想の具現化として映り、ビュフェ旋風を巻き起こしました。具象画壇の旗手となったビュフェはベルナール・ロルジュやアンドレ・ミノーとともに、新具象派あるいはオムテモアン(目撃者)と呼ばれ、1950年代半ばには日本でも頻繁に紹介されました。日本の美術界は抽象画全盛の季節を迎えていましたが、ビュフェの黒い直線と強烈な表現に衝撃を受けた芸術家は少なくありませんでした。以来、半世紀以上の年月が流れましたが、現代のアートシーンにおいてもビュフェの存在感はゆるぎないものとなっています。